*ワインの評価*
深みのある紫がかった赤。やや還元的なニュアンスを帯びつつも、その下からは力強さと緻密さが伝わってきます。ラズベリーを中心とした赤果実の芯に、黒系果実の陰影が重なり、奥行きにははっきりとしたミネラルの筋が通ります。酸はきめ細かく、タンニンはすでに磨かれた質感を示し、余韻は長く持続します。若いうちは閉じた印象を見せますが、熟成を経ることで荘厳な姿を現すでしょう。94–97点 Inside Burgundy
*ドメーヌ・アンリ・ルブルソーとは*
ルブルソー家は1782年に遡る歴史を持ち、7世代にわたりコート・ド・ニュイの畑を守り続けてきました。19世紀にはジャン=バティスト・ルブルソーがシャンベルタンやクロ・ド・ヴージョの区画をまとめ上げ、将来にわたる礎を築きます。その後、息子のアンリは第一次世界大戦に従軍しながらもドメーヌを守り抜き、戦後はシャンベルタン防衛組合の創設に尽力しました。
20世紀後半にはピエール・ルブルソーが家業を継ぎ、その孫ジャン・ド・シュレルの代から有機栽培への移行が始まります。2018年、フランスの名門実業家ブイグ兄弟が参画したことで、ドメーヌは大きな転換期を迎えました。シャトー・モンローズで名声を築いたエルヴェ・ベルランを招聘し、醸造はさらに精緻さを増します。畑ではビオロジックとビオディナミを徹底し、土壌の生命力を引き出す栽培へと移行。2018年以降のワインは果実の透明感とテロワールの純度が一層高まり、ルブルソーはブルゴーニュの中で再評価が著しいドメーヌとなりました。
現在、14ha近い畑を所有し、シャンベルタン、クロ・ド・ベーズ、マジ・シャンベルタン、シャルム=シャンベルタンといった特級畑を擁する名門。その中でもクロ・ド・ヴージョの区画は、家族の歴史と共に守られてきた宝といえます。▶︎Domaine Henri Rebourseau
*クロ・ド・ヴージョとは*
クロ・ド・ヴージョは、ブルゴーニュ最大級のグラン・クリュであり、12世紀にシトー修道士たちが築いた歴史的畑です。彼らは石垣で畑を囲い、土壌の水捌けや日照条件を細かく整えることで、現代に続くブルゴーニュの「クリマ」概念の基盤を築きました。
19世紀、ジュール・ラヴァル博士はクロ・ド・ヴージョをロマネ・コンティ、シャンベルタンと並ぶ「特級中の特級」と位置づけ、その評価は今も揺るぎません。総面積は約50haに及び、80以上の所有者によって細分化されています。上部は石灰質の浅い土壌でミネラル感と緊張感をもたらし、中腹は粘土と小石を含む複合土壌で骨格を、下部は肥沃な粘土質で豊満さを与えるという、モザイクのように多様な個性を内包しています。
その中でルブルソー家が代々守り続けてきた 2.21ha の区画 は、クロ・ド・ヴージョの中心にあたる「黄金の方形」と称される一等地。標高は緩やかに変化し、上部は石灰岩の多い痩せた土壌で張りを与え、中腹は粘土と石が入り混じり、果実の厚みと力強さをもたらします。樹齢は1927〜1973年植樹の古木が主体で、ヴィエイユ・ヴィーニュの凝縮感がワインに深い奥行きを授けています。
特に 2021 年の Clos Vougeot Vieilles Vignes は、この区画の個性が鮮やかに表れた仕上がりです。ラズベリーの瑞々しさに黒系果実の陰影が重なり、土壌由来の鉱物的な輪郭が骨格を形成。時間と共に厳格さがほどけ、優美さを備えた堂々たる姿へと変貌するでしょう。クロ・ド・ヴージョの多様性の中でも、際立って完成度の高い表現のひとつと評価されています。
*ワインを休ませるために*
札幌市南区、藻岩下。
藻岩山麓にあるワインショップPetite-Foret(プティット フォレ)。
私たちのセラーでは、太陽光(紫外線・可視光線・赤外線)・振動・強制対流・乾燥・温度変化(高温)・異臭・塩素・青かび等々、ワインにとって害あるものを可能な限り排除しております。また、洞窟を模した暗闇のセラーの中で休んでいるワインたちが、当店を旅立つその日までセラー・マスター以外の人の手に触れることはありません。どうぞ安心してワインをお選びください。▶︎詳しくはこちら
*ご購入をお考えのお客様へ*
スタンダードワインから、超限定品まで。ワインラヴァーの皆さまに「適正価格」でお届けすることを大切に考えています。転売を防ぎ、本当にワインを楽しみたい方へお届けするための取り組みとして、当店のホームページでは一部のワインのみ価格を掲載しています。掲載のないワインの金額を確認されたい場合は、▶︎お問い合わせ よりご連絡ください。