*評価*
深みのあるルビー色。赤い果実とスパイスの香りが繊細に重なり、奥に花やミネラルのニュアンスが感じられます。口中では熟した果実が滑らかに広がり、緻密なタンニンが余韻を導きます。絹のような質感と内に秘めた力強さが共存し、クロ・サン=ジャックの「実質グラン・クリュ」と呼ばれる所以を明確に示します。全体に品格と静かな深みを湛えた逸品。96–98/100点 Inside Burgundy 5ツ星獲得キュヴェ
5ツ星とは、ジャスパー・モリスによるブルゴーニュ評価における最高格付けであり、その年のヴィンテージを象徴する傑出したワインにのみ与えられます。品質の高さに加え、果実・酸・熟成力・表現力の均衡が取れ、造り手の個性が最大限に発揮されていることが条件とされます。年間に選ばれるワインはごく僅かです。
*フーリエとは*
ジュヴレ・シャンベルタン村を中心に約10haを所有するドメーヌ。現当主ジャン・マリー・フーリエ氏は、ヴォーヌ=ロマネの巨匠アンリ・ジャイエのもとで修業を積み、1994年に家業を継承しました。彼の哲学は何よりも自然に即したテロワール第一主義であり、畑では化学的介入を避け、徹底した手作業による自然な収量制限を行っています。特にミルランダージュ(結実不良)と高樹齢のブドウ樹に強いこだわりを持ち、凝縮した健全な果実を得ることを重視しています。
ドメーヌのワインとは別に、コート・ド・ニュイ各地の信頼できる旧知の栽培家からブドウを購入し、自ら醸造を行うネゴスものも手掛けています。A.C.ブルゴーニュに関しては自社畑と買いブドウをブレンドしており、ドメーヌものと全く同じ醸造法で仕立てられます。
醸造では全房発酵を行いません。その理由はタンク内に酸素が入りすぎること、そしてアルコール度数を過度に上げないためです。一度すべて除梗した後、粒と梗を層状に重ねる独自の「サンドイッチ法」で発酵を行い、ピジャージュは手作業で1日2〜3回行います。この方法により梗の熟度を見極めながら、アルコールのコントロールとワインへの清涼感を両立させています。粒と梗を一度バラバラにしてから層にするこの手法は、他の生産者ではほとんど見られません。
2023年のアルコール度数は、グリオット=シャンベルタンで13.9%、プルミエ・クリュで13.2〜13.8%。グラン・クリュでは放置すれば15%に達する可能性があり、酸を残しつつ発酵を管理する工夫が求められました。梗の使用率は2022年が20%、2023年が30%。熟した梗がアルコールを吸収し、ワインに清涼感を与える重要な役割を果たします。
フーリエのワインは、力強さよりも繊細さと透明感を重視し、シルキーな質感とミネラルの緊張感を併せ持ちます。熟成とともにさらなる奥行きを見せ、ジュヴレ・シャンベルタンのエレガンスを体現する造り手です。▶︎Domaine Fourrier▶︎Domaine Fourrier
*クロ・サン=ジャックとは*
ジュヴレ=シャンベルタン北側、コンブ・ド・ラヴォー渓谷の入口に位置する6.7haのプルミエ・クリュ。東南向きの斜面は日照に恵まれ、谷を抜ける冷たい風が成熟を緩やかにし、果実の完熟と酸の保持を両立させます。
土壌は上部が石灰岩を多く含む白色マール、下部は粘土質が強く、層構造がはっきりとしています。縦に区画が走ることで上から下までの一体感が生まれ、構造の整ったワインを育みます。1955年まではモノポールでしたが、現在は5つの生産者が分有。中でもフーリエは0.89haを所有し、上部は1910年植樹の古樹、下部は1955年植樹。
この畑のワインは、赤系果実の華やかさとミネラルの芯が共鳴し、緻密なタンニンと長い余韻を伴います。ジュヴレの中でも最もエレガントで、グラン・クリュを凌ぐと評されるクロ・サン=ジャック。その中でもフーリエのキュヴェは、静謐な緊張感と深い余韻を備えた、まさに内省的な美を湛える一本です。
*ワインを休ませるために*
札幌市南区、藻岩下。
藻岩山麓にあるワインショップPetite-Foret(プティット フォレ)。
私たちのセラーでは、太陽光(紫外線・可視光線・赤外線)・振動・強制対流・乾燥・温度変化(高温)・異臭・塩素・青かび等々、ワインにとって害あるものを可能な限り排除しております。
また、洞窟を模した暗闇のセラーの中で休んでいるワインたちが、当店を旅立つその日までセラー・マスター以外の人の手に触れることはありません。どうぞ安心してワインをお選びください。▶︎詳しくはこちら
*ご購入をお考えのお客様へ*
スタンダードワインから、超限定品まで。
ワインラヴァーの皆さまに「適正価格」でお届けすることを大切に考えています。
転売を防ぎ、本当にワインを楽しみたい方へお届けするための取り組みとして、当店のホームページでは一部のワインのみ価格を掲載しています。掲載のないワインの金額を確認されたい場合は、▶︎お問い合わせ よりご連絡ください。
